保育現場で起きがちな園長と職員のギャップを考える|協働する園のつくりかた

投稿日:2023年2月15日

目次

保育の質を高めるために欠かせない協働(チームワーク)

保育の質を高めるために欠かせない協働。
チームワークとも呼ばれますね。
保育園では、園の理念や保育方針に合わせて、職員が力を合わせて働いていらっしゃるのではないでしょうか。

協働とは、同じ目的のために力を合わせて働くこと

今よりもさらに協働している園をつくるためにどのようなことができるのか。
要素はたくさんありますが、今回は協働を阻害する要因とも言える認識のズレやギャップについて考えてみます。

なぜズレやギャップが起こるのか?

どのような組織でも園長などの管理者と現場の職員との認識のズレやギャップは起こるものです。ある出来事(事実)があったとき、それぞれで解釈が異なるためです。事実は一つですが、解釈は複数あります。この解釈を形成するものを考えてみます。

立場の違い

管理職と現場の職員では、役割や立場が違うため視点が異なっていることがあります。例を挙げてみます。

ある先生にリーダーを任命した。入職して数年たち、園にも慣れてきたので初めて役職をつけてみた。しかし、思ったような働きをしてくれていない。決まった仕事があるわけではないけれど、うまく周りをみてみんなをまとめてほしいと思っている。他のリーダー職員の仕事ぶりをみて真似してほしいが、本人に素養がなかったのだろうか…。

上司は管理職であるため全体を把握した上で指示を出しています。今回ですと、リーダーに任命したのは、職員に成長してほしいと人材育成の観点から考えています。しかし、一般保育士の立場から考えると、「リーダーという役職がついたけれど何をしたらいいかわからない」とか「慣れてないのにリーダー業務を押し付けられた」などの範囲で理解していることがあります。その見えている視点の違いがあることを認識しておかないとギャップがおこってしまいます。

常識の変化

こちらも保育園での業務中の例を挙げてみます。

会議中に新人さんに覚えてほしい内容だったため、「ホワイトボードの内容をメモしておいてね」と伝えた。しかし、急にスマホで写真を撮りはじめた。仕事中にスマホをいじるなんてありえない!と思い注意したが、本人は「スマホの写真で撮ったほうが早いので」と悪びれた様子がなく驚いた。

若い世代では記録にスマホを使うのは当たり前という常識があります。園では、スマホ=プライベートという価値観があると受け入れがたいこともあるのではないでしょうか。よくジェネレーションギャップと言われることもありますが、育ってきた環境の違いによって当たり前の感覚は違っています。

自園で譲れない価値観は一致させる努力を

このように立場や育った環境などでさまざまな価値観が個人個人にあります。すべてのギャップは埋めることはできませんが、園での譲れない価値観は一致させることが必要です。

価値観の異なる相手への対応の方法として「対決」と「受容」のふたつがあります。
対決とは、価値観が同じになるように話し合うことです。
そして受容とは、価値観が異なることを前提として、異なる相手を受け入れて共存していこうとします。自分の価値観を捨てて、相手の価値観にあわせるという事ではなく、自分の考えをもちながら相手の考えも理解できるという状態です。
まずは、お互いの価値観を理解し合うことができるとよいのではないでしょうか。

相手の価値観や考えを知る

今新卒で入る世代の先生たちは、Z世代とも言われていますね。
この世代では、パソコンやインターネットが普及したあとに生まれており、デジタルネイティブだと言われています。SNSなども活用してきた世代ですので、コミュニケーションの形も違っています。育ってきた環境だけでもこれだけ違いますし、さらにそれぞれの価値観も異なってきます。
相手がどのような価値観や考えを持っているのかを知り、違いを知ることをおすすめします。

園の価値観を明確にする

自分たちの園では何を良しとしていて、何は良くないと考えているのかを示します。職員に何を期待したいのかを言葉にしておきましょう。理念や保育指針などから行動基準やマニュアルに落とし込む園もあります。
基本理念や保育指針、保育目標の役割とはなにか、園全体での共通理解の必要性について下記のコラムでご紹介しています。

職員に共有し共通認識を図る

文章などで園の方針や価値観を明確にしたら、そのままにするのではなく職員に周知しましょう。掲示して公表する方法もありますし、全職員研修で共有する方法もあります。
掲示したり渡したりするだけでは忘れてしまうかもしれませんので、全職員研修や面談、入職者オリエンテーションなどで考える時間を持つことをおすすめします。

ギャップが起きていないか定期的に確認する

周知して終わりではなく、期待値にズレが生じていないか都度確認する機会をもちましょう。1度話しただけでは常に覚えていることは難しいのではないでしょうか。定期的に確認するという機会を持つことで、軌道修正やサポートを考えることができます。
特に面談はギャップを埋めるためにも取り入れてみてほしいです。普段の業務や人事評価の結果でギャップがあってもそのままにせず、本人がなぜその行動や結果にしたのかを聞き、その上でフィードバックをしてみましょう。面談のコラムは下記をご覧ください。

協働する園をつくるためにギャップの解消を

認識のズレやギャップの解消についてご紹介しました。
ギャップがあることは上手く活用すれば改善のためのヒントになりますし、園に新しい考え方を取り入れることができます。
しかし、園での譲れない価値観は一致させることが必要です。
保育の質の向上のためにも協働する園づくりをしてみてはいかがでしょうか。
目次